▼鈴鹿市が4月から東京事務所を開設する。約20年にわたって水面下で準備を進め「満を持しての上京」と期待を込めているというが、議会からは「効果が期待できる人選と明確な戦略を立て、効果的な運用に努めること」とする付帯決議が付いた。「満を持して」というにはちぐはぐな気もする
▼人口減少対策となる新たな経営資源の獲得に向け「国などの行政機関、民間企業、大学などとのネットワークづくりを進めるほか、企業誘致や雇用促進、定住人口の確保や関係人口の拡大、補助金や企業版ふるさと納税制度による寄付金の獲得などに力を入れていく」
▼盛りだくさんな開設趣旨にもかかわらず、議会には「具体的な成果目標などが示されていない」などの不満があるらしい。いずれも多くの自治体が抱える課題で、説得力ある説明がしにくく、だから東京事務所を開設するということでもあるのだろう
▼先行する津市、四日市市が県の東京事務所主導で情報交換の場を設け、企業対象の誘致説明会などで協力関係を築いたこともある。津市の説明会は実績を重ねていて、四日市市は市出身者を組織し、企画のアイデアを募って工場見学会を実行するなど、首都圏での市のアピールに役立てた。鳥羽市は市出身の駐在員を置き、企業情報の収集に努めた
▼20年の“満を持し”た期間があるなら、もう少し具体的な準備はできなかったか。人口減少対策という喫緊の難題に直面して、何か手を打たざるを得なくなって編み出した提案と思った人も少なくなかったのかも知れぬ。