2024年2月24日(月)

▼小腹がすいてファミリーレストランに入ったが、2軒続けてすぐ出てきてしまった。1軒はメニューとともにタブレットが置かれているだけ、もう1軒は席に案内してくれた店員が「これで注文お願いします」とポンとタブレットを置いて去った。勝手が分からず、しばし呆然として席を立った

▼スーパーの食品売り場なども最近は自動精算だ。計算はレジの人がやってくれるが、支払いは「○番レジでお願いします」と言われる。操作法が全店共通ではないので、戸惑うこともあるが、困っていても誰も気づいてくれない店や、店員に聞いても「画面を見てください」と言われたりで、操作を打ち切って引き上げたことも。ある種のカスタマーハラスメントと思われたかも知れない

▼視聴覚障害者などがタブレット精算の普及で“買い物難民”に追い込まれているらしい。精算機の高さなども含め、障害者を想定してはいない気がする。県が、デジタル推進局を作ったのは令和3年度。国を先取りして原則ペーパーレス化を打ち出した。局長公募に応募者200人といういきおいだったが、国がアナログ規制撤廃に乗り出した今になっても「なかなか悩ましいところが多い」(一見勝之知事)

▼県立病院関係者が言っていた。「知的・精神障害者にタブレットを操作させるのは至難の業」「医師も、カルテの入力は事務員任せ、あるいは決められた通りにしてくれない」。二重手間、三重手間になる

▼国からの職員派遣受け入れも検討するらしいが、国はさらに現場を知らぬのではないか。