「人とのつながりが支えに」 伊勢市の地域おこし協力隊、5人が活動報告会 三重

【地域活性に向けた活動や課題などを語る地域おこし協力隊員ら=伊勢市本町のシャレオサエキビルで】

【伊勢】三重県伊勢市の地域おこし協力隊の活動報告会が19日、同市本町のシャレオサエキビルで開かれた。地域の活性に向け活動する隊員5人が公開座談会で活動紹介や課題について語り、今月末で任期を終える高橋千典(ちふみ)さん(41)が、3年間の成果や活動への思いについて講演した。

地域おこし協力隊は、都市部から地方に移り住み、最長で3年間の任期中、地域の活性化などに取り組み、定住を図る制度。市では現在、女性5人が活動し、地域資源を生かした観光ツアーの開発や、伝統工芸「伊勢根付」の継承、SNS(交流サイト)を活用した情報発信などに取り組んでいる。報告会には、市の関係者や地域住民ら約60人が参加した。

座談会では、隊員らがそれぞれの活動を紹介。また、ゼロからものを作り上げる大変さや退任後の暮らしへの不安、取り組みの周知といった課題や、移住して感じた町の魅力について語った。

座談会の前には、今月末で退任する高橋さんが講演。市の地域おこし協力隊1期生として令和4年に着任した高橋さんは、観光振興に向け、体験型観光ツアーの開発や観光ガイドの育成事業などに取り組んできた。決して平坦ではなかった活動の道のりを紹介し「支えになったのは、人とのつながり」と語った。今後も市内に定住し、旅行会社で業務を続ける。「これからは伊勢に恩返し。旅行事業を発展させ、貢献したい。伊勢から日本を元気にしたい」と話した。