津市、シェアサイクル拡大へ 電動キックボードも導入 三重

【シェアサイクリングの拡大実施などを説明する前葉市長=津市役所で】

【津】三重県津市の前葉泰幸市長は20日の定例記者会見で、昨年8月から実証実験を行っている大門・丸之内地区を中心としたシェアサイクルを年度末まで延長し、さらに来年度から津駅周辺を中心に、エリアを拡大して実施すると発表した。県内初となる電動キックボードも導入する。

シェアサイクルは昨年8月26日から今月25日までの半年間実施。同地区を中心に津駅や津新町駅、津なぎさまちなど22カ所にポート(駐輪場)を設置し、計55台の電動アシスト自転車を稼働させていた。運営は民間事業者のLuup(ループ)。

1月25日までの利用実績は乗車回数が2194回で利用人数は770人。年代別では20代が最多の33%で、次いで40代22%、30代21%、50代14%と続く。

利用者に実施したアンケート結果では、5回以上の利用が3分の1あり、手軽な交通手段として認知が進んだと分析。約97%が今後も継続して利用したいと回答した。3月末まで現行のポートと台数を維持して延長する。

来年度からは津駅を中心に実施エリアを拡大して1年間、実証実験する。アンケートでも津駅を結節点に東西エリアへの拡大を求める声が多数上がっていた。

ポート数は現行ポートを維持しつつ、35カ所程度に拡大予定。現行の電動アシスト自転車に電動キックボード25台を追加し、80台程度の稼働を見込む。

料金体系は現行から変更する。基本料金を10分200円から設定していたが、利用者の半数が10分以内の利用で見直しを求める声が多く出た。そのため、基本料金50円をベースに1分ごとに15円を加算する方式に変え、柔軟な利用料金とする。

電動キックボードの導入は近距離移動の需要を満たし、選択肢の幅を広げる狙いで実施する。アンケートでは、キックボードを「利用したい」と答えた人は約25%と「利用しない」の51%を大幅に下回ったが、試行的に導入することにした。

前葉市長は「スタート時は行政の支援が必要だが、実証実験の結果を踏まえ、民間事業者による自主事業化を目指したい」と強調。危険性や事故なども問題となっている電動キックボードについては「利用者には交通ルールの周知徹底を進めたい」と話した。