
【伊勢】三重県伊勢市は19日、令和7年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比10・6%増の総額607億5300万円で過去最大の予算規模。25日開会の市議会3月定例会に提出する。
鈴木健一市長は「令和7年は市制施行20周年ということで、これまでの20年を踏まえ、次の20年に向けた“はじまり”の予算」と説明し、こども・若者(次世代の育成・支援)▽御遷宮(伝統・文化の継承と機会の活用)▽地域の持続(持続可能なまちの基盤づくり)―の3つを重点施策に挙げた。
歳入は、市税が前年度比10・5%増の168億8千万円。地方交付税は0・2%減の117億6千万円。市債発行は78・2%増の56億4420万円で、7年度末の市債残高は559億9256万円となる見込み。
歳出は、人件費と扶助費、公債費を合わせた義務的経費が4%増の299億2284万円。投資的経費は59・1%増の86億5916万円となった。
一般財源の不足に伴い、財政調整基金から37億円を繰り入れ予定。7年度末の基金残高見込み額は38億3395万円となる見通し。
主な事業では、郷土の魅力を発信する拠点となる郷土資料館の整備事業に6億8300万円を計上。令和8、9年に予定されているお木曳行事に向けた体制づくりや機運醸成を図るため、奉曳団の準備や保存・継承に必要な費用の支援に3200万円を盛り込んだ。
子どもらの読書活動推進を目的に、モデル校3校で学校司書の配置日数を増やして図書館の機能向上について検証し、電子書籍コンテンツの拡充などを行う子ども読書推進事業に8267万円を盛った。
主な新規事業は、いせ市民活動センターの改修8億191万円▽市制20周年を記念したバスのお試し乗車券配布229万円▽物価高騰対策のプレミアム付き商品券発行1億8400万円▽防災井戸の整備858万円。
鈴木市長は「今回の予算編成には物価高騰や人件費が大きく響いている。これからも高騰が続くと思うので、しっかりと配慮しながら財政を保っていきたい」と述べ、「郷土愛の醸成の根っこになっているお木曳行事を次世代にしっかりと継承し、ご遷宮を通じて伊勢のことを全国、世界に発信していきたい」と意気込んだ。