
【尾鷲】三重県尾鷲市は19日、令和7年度当初予算案を発表した。一般会計は総額121億4142万4千円(前年度比13%増)で、平成以降で最大規模となった。市長選を控えた「骨格型予算」ながら、継続事業などで全体が膨らんだ。
定例記者会見で加藤千速市長は「予算の規模感は、市の状況を見ても大幅に上がっていない」と強調。増額は大型の継続事業や人件費など義務的経費の高騰によるものとした上で「今やるべき事業を推し進める前向きな予算」と位置付けた。
歳入は、市税が4・8%増の18億6029万2千円で、定額減税の終了に伴う個人住民税の伸長を見込む。地方交付税は2・4%増の43億5940万円。市債は大型事業の増加などで56%増の9億5490万円に拡大した。
歳出は、義務的経費の扶助費が3・9%増の18億9625万3千円。障害福祉サービスの利用者増が大きい。物件費は12・5%増の22億345万円で、うち小中学校の児童らの端末更新では、タブレット845台を購入する。
主な事業のうち、みえ子ども・子育て応援総合補助金事業(6853万6千円)では、新規で放課後児童クラブ(学童保育)利用者に長期休暇時の昼食を提供し、費用の一部(300円)を負担する配食事業に82万1000円を盛り込んだ。
九鬼町の市有林「みんなの森」事業(6132万円)では、新たに地域おこし協力隊を一人募って4人体制にするほか、副業で地域振興に貢献する総務省の「副業型地域活性化起業人」制度を使い、脱炭素の推進を担う人材を確保する。
多目的スポーツフィールド整備事業には、11億3820万円を計上。中部電力尾鷲三田火力発電所跡地の一角に来年度末、ナイター照明を設けた国市浜公園野球場が完成する。両翼約98メートル、中堅約120メートル、収容人数は800人程度。
市は令和7年度一般会計当初予算案、一般会計で1億3116万1000円を増額する本年度補正予算案を含む議案37件と諮問2件を、25日開会予定の市議会定例会に上程する。会期は来月18日まで。一般質問は来月3―5日の3日間。