【尾鷲】地域住民が主体となって「地区防災マップ」を作成する事業が15日、三重県尾鷲市天満浦で開かれた。住民ら約15人が参加し、地区の避難経路などを確認した。
各地区で最善の避難体制を敷こうと、市が進める「住民主導型避難体制確立事業」の一環。これまでに11地区のマップが完成し、本年度は天満浦と向井で作成する。
天満浦は南海トラフ地震発生時、堤防まで5分以内に津波が到達すると想定される。指定避難場所は標高13・4メートルの天満会館。大部分が土砂災害警戒区域でもある。
この日は、避難経路や空き家などを記した白地図を基に、市職員らとともに三つの自主防災会が担当区域を巡回。記載のない避難経路や危険箇所を調べ、書き加えた。
天満浦自主防災会は避難階段と廃屋を確認。住民らは「階段の劣化が見られ危険」「家屋が倒壊すれば通行不能になるのでは」などと避難経路の確保を懸念していた。
その後、天満会館に集まり、全自主防災会で意見交換。住民らは新たに発見した危険な石垣を報告したほか、マップ内に防災行政無線の位置を載せることも提案した。
市自主防災会連絡協議会の足立光弘会長は「地区の現状を一人一人が目で確認できた。自主避難の意識も高まり、災害時の自分なりの対応も見つけられた」と話した。
市は今後、各自主防災会の会長と協議し、地区の事情を鑑みた避難ルールを検討する。3月中に裏面にルールを載せたマップを完成させ、各家庭に1枚配布する予定。