【鈴鹿】三重県の鈴鹿市は17日、空き家対策特別措置法に基づく緊急代執行により、同市小岐須町の「特定空き家」の解体を始めた。緊急代執行の実施は県内初となり、全国では7例目。
解体される空き家は、木造瓦葺平屋建ての居宅で、床面積は67・4平方メートル。市によると、市内在住の高齢男性が所有という。
市は「周囲に危害を与える恐れがある」として、平成29年に特定空き家に認定した。
その後、男性所有者には継続的に適切な管理を求め、指導や勧告を実施してきたが、1月8日に県道側に外壁部分などが自然倒壊し、地域の生活道路の通行を阻害。市コミュニティバスの路線で、中学校の通学路でもあるが、現在はいずれも迂回状態となっている。
市は男性所有者に撤去を求めたが、着手する意向を示さなかったため、地域住民への被害拡大防止と道路啓開を早期に図る必要があることから、今回の措置に踏み切った。
解体費用は225万5千円程度(税込み)を見込んでおり、代執行完了後に男性所有者へ請求する。
この日は午前10時、市住宅政策課の井上滋生課長が緊急代執行の開始を宣言し、作業に着手。工事業者が空き家の仮囲いを設置した。
本格的な解体作業は18日からを予定し、来週初めごろまでには完了したい考え。
市によると、特定空き家は市内に44件あるという。