伊勢新聞

津が生んだ半泥子の魅力紹介 東京の三重テラス企画展

【展示作品を鑑賞する来場者=東京都中央区日本橋室町の三重テラスで】

津市の魅力を首都圏で発信する「つデイ」が14、15日の両日、東京都中央区日本橋室町の三重テラスで開かれた。津市が生んだ「昭和の光悦」川喜田半泥子の魅力を首都圏の人らに知ってもらおうと津市は、津市の石水博物館や百五銀行の協力を得て企画し、延べ約300人が来場した。

半泥子は、津市出身の実業家でありながら、「東の魯山人・西の半泥子」と称さるなど近代陶芸界にも大きな足跡を残す芸術家としても知られる。

半泥子の魅力を伝えるため、石水博物館所蔵の半泥子作品やパネルの展示、半泥子が津市に開いた窯場「仙鶴窯(旧廣永窯)」の陶芸作品の展示を行った。ほかにも石水博物館学芸員によるギャラリートークも開催され、多くの陶芸ファンが熱心に話を聞いていた。

また半泥子が津市の洋食店「東洋軒」の初代料理長に「黒いカレーができないのか」とリクエストをしたことがきっかけで誕生し、現在同店の看板メニューとなった「ブラックカレー」も振る舞われると、来場者は「おいしい」などと言いながら舌鼓を打っていた。

都内在住60代の男性は「学芸員さんのお話はとても興味深いもので、津の文化の高さを知った。半泥子ゆかりの津を訪ねてみたい」と話した。

石水博物館学芸員の龍泉寺由佳さんは「かつて川喜田家が江戸店を構えていた日本橋の地で、川喜田家の歴史や半泥子の作品をたくさんの人に紹介できたことは、とても意義あるものになった」と話した。