クマノザクラ50本植樹 御浜町の寺谷総合公園で

【クマノザクラを植樹する大畑町長(左端)や辻理事(右端)ら=御浜町阿田和の寺谷総合公園で】

【南牟婁郡】御浜町阿田和の寺谷総合公園で15日、クマノザクラ植樹祭が開かれた。町民ら約70人が寄贈された苗木50本を植え、満開の桜が咲くように願った。

クマノザクラは平成30年、約百年ぶりに発表された新種の桜。主に紀伊半島南部に分布し、県では紀北町以南で見られる。2月末に開花、3月中旬に見頃を迎える。

植樹祭は、県内に新たな桜の名所を生もうと、岡田文化財団(菰野町)が昨年度に始めた「さくらプロジェクト」の一環。町は来年度までの3年間、同公園に計500本を植える。

式典では財団の辻晴芳理事が「小学生が成人の時、大輪を咲かせていれば幸い」とあいさつ。大畑覚町長は「桜の名所として町民が集まる場所になれば」と感謝した。

この日は、本年度の150本のうち、事前に植樹した分を除く50本を植樹。参加者らはグラウンド横の穴に約3メートルの接ぎ木苗を入れ、スコップで根に土をかぶせた。

接ぎ木苗を育てた鈴鹿市の樹木医、中村昌幸さん(54)は「畑に植えて3―4年育てた。約3年で開花する苗木が多いと思う。一面桜色に染まるのが楽しみ」と話した。

町野球少年団「紀南BBC」の小学5年、中西昭大さん(11)は「チームの仲間と協力して植樹できた。満開の桜の下で試合ができるのを楽しみにしている」と話した。