大型製材工場誘致へ要望書 尾鷲商議所、市に提出 三重

【加藤市長(左)に要望書を手渡す北裏会頭(中央)=尾鷲市役所で】

【尾鷲】三重県の尾鷲商工会議所は14日、尾鷲市の加藤千速市長に対し、大型製材工場の誘致に向けた要望書を提出した。実現に資する道路や港湾の整備や、企業の支援策など5項目を盛り込んだ。

北裏大会頭や森浦克好副会頭ら5人が、同市役所を訪れた。同商議所によると、3月の第1回市議会定例会の開会を前に、毎年冬に要望書を提出。市議会にも同様の要望書を手渡している。

要望書では、中部電力尾鷲三田火力発電所跡地への大型製材工場の誘致は、県内市町の林業施策をけん引する「フラッグシップ」と強調。作業道を含む林道整備など林業施策の推進を求めた。

続けて、同市から和歌山県上北山村に至る「尾鷲―北山道路」構想の実現や、尾鷲港における港湾機能の再構築、活用を要望。紀伊半島からの集材や運搬に向け、物流輸送網の確保を訴えた。

地元企業の育成、支援策について、最低賃金の上昇や労働力不足による事業所の廃業が増えていると指摘。物価高騰分を加味した適正価格での業務発注、地域商品券事業の復活などを求めた。

北裏会頭から要望書を受け取った加藤市長は「製材工場の誘致は進出の方向で進んできている。尾鷲北山道路は災害に強い道路の意味合いも含め、年度明けから活動を進める」と答えた。