![web03◎P説・津市・一般会計当初予算案](https://www.isenp.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/731a99c226135ed3cb16059f30208352.jpg)
【津】三重県の津市は12日、総額約1316億9300万円の新年度一般会計当初予算案を発表した。前年度比11・5%(約136億円)増の過去最大規模となった。前葉泰幸市長は「市民生活と地域経済を支える積極予算」を掲げ、子ども・子育てや防災対策、道路など社会基盤整備などに重点的に取り組んだとした。
こども・子育て政策▽都市づくり▽安全・安心―の三つの政策を柱に、物価高騰対策など各分野の喫緊の課題に積極的に取り組む方針を示した。
歳出では、道路新設改良事業や学校施設長寿命化改修事業、体育館アリーナ空調整備事業などを盛り込んだ普通建設事業費が同26%増の137億3000万円計上。
義務的経費は給与改定に伴う人件費増などで同8・4%増の691億8000万円となった。物件費は小中学校の児童生徒と指導者の1人1台タブレット更新などで同20%増の213億4000万円を計上した。
歳入は景気回復や企業の賃上げによる個人所得の増加などで個人・法人市民税が伸び、市税全体で同6・5%増の433億3千万円を見込む。地方交付税は同2・9%増の216億円。市債は同21・3%増の67億2000万円。このうち、来年度に期限が切れる合併特例事業債は26億1000万円で全額を使い切った。
繰入金は収益増が見込まれるモーターボート競争事業会計から30億円繰り入れ、このうち10億円をこども基金に積んだ。財政調整基金からは51億円計上し、同残高は36億円。
主な事業では、子ども・子育て政策として、新規で子育て世帯の移住促進空き家活用助成事業に2500万円計上。市外に住む子育て世帯が市内の空き家を購入し、転入する際の空き家取得費の一部として、市中心部で上限150万円、それ以外で同100万円を助成する。財源としてこども基金を活用した。
安全・安心政策では、8年4月から津と鈴鹿、亀山の3市で共同運用を開始する消防通信指令センター共同整備事業に27億8400万円を盛り込んだ。
都市づくり政策は、再整備を進めている津駅周辺について、新年度は新たに西口駅前広場の測量設計や周辺の交通量調査、シェアサイクル実証実験などを盛り込み、計4445万円を計上した。
前葉市長は過去最高規模となった今回の予算について「子ども・子育てをしっかり応援し、市民生活と地域経済を支えるための積極的な予算を組んだ」と強調。子ども・子育て予算はこども基金を活用し、市独自の政策を打ち出すことができたとした。
一方、合併特例債が7年度で切れ、8年度からは大幅な歳入減となる。新たな財源確保が必要となることについて「地方債などもうまく活用しながら、事業ごとに財源を確保していきたい」と話した。