下水道の緊急点検に異常なし、埼玉の陥没事故受け、知事定例会見

【下水道管路を点検する作業員(県提供)】

一見勝之三重県知事は7日の定例記者会見で、埼玉県八潮市で発生した道路陥没を受け、流域下水道管路の緊急点検を実施したことを明らかにした。下水道の内部に異常はなかったとしている。

三重県によると、国が自治体に緊急点検を要請した対象に県内の下水管は該当せず、自主的な点検として実施。四日市市や鈴鹿市などを通る「北勢沿岸流域下水道」のうち約7キロを点検した。

委託先の作業員が4、5の両日、14カ所のマンホール内から下水管路の劣化度などを目視で確認した。県は「通常の経年劣化はあるが、異常とまでは認められない」との報告を受けた。

また、県内で公共下水道を管理している23市町のうち、津市や四日市市、松阪市などの9市町も一部の下水管路で自主的な点検を実施。いずれの市町でも下水管路に異常はなかった。

県は市町の公共下水道と接続する形で総延長268キロの流域下水道を管理している。うち古いものは設置から37年が経過。コンクリート製の標準的な耐用年数は50年とされる。

一見知事は会見で、国による見直しの状況を踏まえて点検の在り方を検討すると説明。腐食の恐れが大きい管路で実施している定期的な点検の頻度を上げることを検討する考えも示した。