【四日市】三重県四日市市は5日、令和7年度一般会計当初予算案を発表した。前年度比5・8%増の1453億2千万円で、過去最大規模となった。12日からの市議会2月定例会に上程する。
同予算案は、中心市街地再開発プロジェクトへの投資やこどもまんなか社会の実現、ゼロカーボンシティを目指すまちづくりなど、中長期的課題への対応と、さらなる市民サービスの向上、働き方改革の推進に関連する事業に、重点配分した。
市は、人件費増加や、人手不足による建設コスト増など物価高騰の影響が見込まれるため、基金や市債を有効活用しながら、主要事業の着実な進捗(しんちょく)を図る方針とした。総合計画中間見直し後の新たな5年間がスタートする年度に当たり、市が目指す将来都市像に向けて積極的な事業展開を図っていくとしている。
歳入は、個人市民税と法人市民税が賃金の引き上げや堅調な企業業績により増加するものの、固定資産税が償却資産の減価償却が進むため減少し、市税は前年度比0・2%減の722億円となった。財政調整基金繰入金は16億3千万円、都市基盤・公共施設等整備繰入金は18億1千万円を計上し、収支の均衡を図る。
市債は、中央通り再編事業の進捗による増加、消防指令システム整備や温水プール整備、霞ケ浦第一野球場大規模改修など投資的経費が増加した影響から、前年度比6・7億円増の93億2千万円億円を計上した。
記者会見した森智広市長は同予算案を「新たな5年の始まりを告げる『未来に続くまちづくり予算』」と命名した。
市の財政状況については「健全な状況を維持している」と強調。JR四日市駅前への大学設置に関し、当初予算には調査検討事業費300万円の計上のみとなったことには「本年度中を予定していた基本計画策定が、調整が必要で遅れるためで、事業に消極的なわけではない。来年度、できる限り早い段階で基本計画を策定したい。次のアクションが固まったら、恐らく補正予算で来年度中に上げていく」と述べた。
さらに「新年度から始まる事業も数多くあり、新しい一歩を踏み出す一年となる。ワクワクするような、四日市を楽しんでいただける予算が多く含まれている。東海エリアを引っ張る元気都市になっていけるようにまちづくりをしていきたい」と語った。