
【尾鷲】三重県尾鷲市北浦町の尾鷲神社の例大祭「ヤーヤ祭り」は最終日の5日、道中手踊りや大弓の儀などがあった。粉雪が舞う夜空の下、多くの氏子らで熱気に包まれた天下の奇祭が閉幕した。
道中手踊りの行列は正午、旧尾鷲町を構成する18町の子どもらが林町の路地を出発。先頭の矢浜町は、太鼓や笛の音に合わせて獅子舞を披露した。続いて天満町が法被姿で尾鷲節を踊った。
例大祭の幹事役「祷務町」を務める野地町は大名行列を再現。やりや鉄砲などを携えた家臣役の後ろで、おしろいや口紅を塗った尾鷲小4年の座禮希翔さん(10)が勇壮になぎなたを振るった。

約1時間半で尾鷲神社に到着すると、神前になぎなた振りを奉納。男衆の「よいしょ」のかけ声で力強く振り下ろし、観衆は拍手を送った。座禮さんは「練習通りにうまくできた」と話した。
午後6時過ぎ、海に飛び込んで身を清める「垢離掻き」をした後、尾鷲神社で「大弓の儀」があり、野地町の尾鷲中1年の内山雄介さん(13)らが正方形の的に目がけて14本ずつ矢を放った。
祭りを締めくくる「御獅子の出御」で、獅子頭を載せた神職の進行方向で、山方と浜方の豊年を占い終えると、来年の祷務町を務める天満町と知古町に役を引き継ぐ「祷渡し」で幕を閉じた。