伊勢新聞

2025年2月5日(水)

▼一見勝之知事が最近の物価高騰を実感するのはスーパーに買い物に行った時で、ブロッコリーはじめいろんな食品の値段が上がってるのを見て高いねと思うそうだ。ただ比較的「高い給料はいただいてる」ので「生活しにくい」と感じることはないらしい

▼土地は値上がりするのが当たり前で、土地神話、土地バブルと言う言葉が生まれた昭和から平成にかけてのころ、大蔵省(当時)は土地関連融資の抑制策を打ち出し、一気に沈静化させた。その直前マイホームを購入した国土交通省の担当者が機関紙に書いていた。統計を見るたびにマイホームの価格が低下。仕事的にはいい傾向だが、そろそろ下げ止まってくれないか、と

▼連合三重から物価高を超える水準での賃上げを実現させるため、中小企業が労務費などを適切に価格転嫁できる環境の整備などを求められ、一見知事は「中小企業は原料高と賃上げで苦しい状態にある」として、取引の適正化に向けた取り組みを進めると語った

▼要請書を提出した番条喜芳会長は「物価高を超える賃上げによって経済を回してほしい」。消費マインドを刺激して経済を活性化するということだろうが、値上げで知事でさえ「高いね」と実感する日常の中では針の穴を通す難しい手腕が求められよう

▼この1月、県医師会から月1回の会報誌「三重医報」の送付終了の連絡がきた。物流費の高騰で会員のみ閲覧可の電子版に移行するという。医師といえば地元の名士、資産家という時代に育った人間として、ブロッコリー以上の衝撃を受けた。