【尾鷲】尾鷲神社の奇祭「ヤーヤ祭り」の練りが2日夜、三重県尾鷲市内2カ所で始まった。白装束の青年ら「ヤーヤ衆」が集まり、細い路地で激しくもみ合った。練りは4日まで3夜連続である。
ヤーヤ祭りは、合戦の前口上「ヤーヤー我こそは」が由来とされる。大漁や豊作を願い、約350年前に始まったと伝わる。祭りの幹事役「祷務町」の野地町、南町が練りの舞台となった。
野地町では午後7時過ぎ、天満と堀、中井の3町約60人を皮切りに続々と集結。二手に分かれたヤーヤ衆が「チョーサじゃ」のかけ声とともに体をぶつけ合い、観衆は拍手や声援を送った。
練りの後、ヤーヤ衆は高張りちょうちんなどを掲げて尾鷲港に移動。入水して身を清める「垢離掻(こりか)き」があり、下着姿になった有志の男性8人が海に飛び込んだ。最後に尾鷲神社に参拝した。
野地町代表で海に飛び込んだ、大阪市の会社員岡田航さん(34)は「高齢で垢離掻きを引退した先輩の跡継ぎとして参加した。水の冷たさは覚悟していたが、とても気持ち良かった」と話した。