伊勢新聞

南海トラフ想定し図上訓練 県、対応方針までの手順確認

【南海トラフ地震の発生を想定した図上訓練で、被害情報を報告する県幹部ら=県庁で】

三重県は31日、南海トラフ地震の発生を想定した図上訓練を県庁で実施した。各部局から約60人が参加。一見勝之知事に被災状況を報告し、対応方針を決めるまでの手順を確認した。

県によると、今回の図上訓練は「災害対策本部長への報告と対応方針の決定」に特化。職員らが情報収集を実践する通常の図上訓練ではなく、県幹部が出席する災害対策統括会議の訓練とした。

訓練の会場となった県庁の「シチュエーションルーム」では、大規模火災や孤立集落が発生したことなどを部局長らが報告。大規模火災にはヘリによる空中消火で対応することを決めた。

一方、この日の図上訓練に備え、県は先月下旬から約1カ月間にわたって「討議型図上訓練」を実施。約270人が参加し、想定される被害や優先する対応などについて検討してきた。

訓練は冒頭を除いて非公開。一見知事は訓練後の会見で「今回の主眼は各部が必要と考えた情報を報告すること。初めての方法で実施したが、非常に有意義だった」と振り返った。