中高生ら尾鷲市政に要望 市長と「まちづくり懇談会」 三重

【加藤市長(左端)に地域課題を述べる生徒ら=尾鷲市天満浦の天満荘で】

【尾鷲】三重県の尾鷲市は27日、市政に中高生の意見を取り入れる「まちづくり懇談会」を同市天満浦の天満荘で開いた。加藤千速市長と中高生10人が、尾鷲の現状と理想像をテーマに議論した。

市によると、若者に市政への関心を持ってもらい、次世代を担う人材の育成を図ろうと、令和4年度に始め3回目。市立尾鷲、輪内の両中から各3人、県立尾鷲高から4人が代表で参加した。

市の現状では、輪内中男子生徒が「通学時のバスと汽車の接続が良くない」とし、市バスのダイヤ改正を要望。尾鷲高女子生徒は、市郊外でも日用品が購入できる移動販売店の導入を求めた。

輪内中校舎内における通信環境の改善を訴える別の男子生徒の声に、加藤市長は「皆さんの学習環境を整えようと、予算に計上した。ネットワークの改修を進め、高速化を図る」と回答した。

生徒らが望む理想の自治体像は「空き家を活用した人口の多い街」「若者の声が聞こえる街」など活性化を求める意見が多く、加藤市長は「移住や定住ができる環境を整備したい」と応じた。

尾鷲高1年の東大燿さん(16)は「こうした場を設けていただき、市長に地域の課題を伝えられて良かった。将来は教師として尾鷲で貢献したいので、もっと街が活気づいてほしい」と話した。