元パラ選手山本さん「積極的に挑戦」 四日市・羽津小で体験型授業 三重

【義足体験をする児童に指導する山本さん(中央)=四日市市大宮町の羽津小学校体育館で】

【四日市】三菱ケミカルグループは29日、三重県四日市市大宮町の羽津小学校で体験型授業「ミツケるミらい KAITEKIパラスポーツチャレンヂ」を開いた。元パラリンピック陸上選手の山本篤さん(42)が、自身の経験談や義足体験などを通して、児童らに困難を乗り越えて挑戦することの大切さを伝えた。4年生85人が受講した。

同グループの社会貢献活動の一環。小・中生にパラスポーツやそれを支える義足の技術・素材について理解を深めてもらうとともに、パラアスリートが体験してきた困難を乗り越える強さ、目標に向かって努力する大切さを伝える機会として令和3年から開いている。

義足に使われている軽く、強く、跳ねる特性がある炭素繊維について、同グループ社員による解説があった。山本さんが勢いよく走って児童らを驚かせ、児童全員が競技用ブレード付きの義足を体験した。

山本さんは、初出場した北京パラ五輪走り幅跳びで、義足選手として日本人初のメダリストとなった。昨年引退するまで、パラ五輪に連続5回出場。「17歳の時に事故で左足を失ったからこそ、今の自分がある。今も可能性を信じて挑戦する楽しい人生、君たちも積極的にチャレンジしてほしい」とエールを送った。

3組の学級委員山本勘人さん(10)は「義足は歩きにくかったが楽しかった。大好きな野球にチャレンジし続けたいと思った」と話していた。