2025年1月29日(水)

▼フジテレビの17日の記者会見はテレビ局とは思えぬ制限をつけて批判されたが、CM中止のスポンサーが続出し出すとたちまち10日後のやり直し会見を打ち出し、無制限の参加者と動画撮影を認め、10時間に及ぶ会見を実施し、会長、社長が辞任した。気持ちは分かるが、こらえ性がない

▼17日の社長会見は説明不足と自己正当化が目立ったが、以後の同社関係者のコメントはもっともと思われる内容ばかりなのも驚いた。社長発言は同社を代表するものではなかったか、誰もが当然と思うことをあえて否定したか。戦争では、負け戦の最後尾の役割がもっとも重要で難しいとされる。味方は浮き足立ち、敵は勢いづいて全滅の危険がある

▼関ヶ原の戦いでは、敵中を突破した島津の退却戦が有名で、信長と朝倉が戦った金ヶ崎の戦いでは豊臣秀吉がしんがりを務めて名をあげた。フジテレビの会見では、かさにかかって質問してくる取材陣になすすべなく反省を口にするばかりで、説得力ある釈明をすることができなく、批判をますます勢いづかせる結果になった

▼元タレントの中居正広さんと女性とのトラブルの場面にフジテレビ社員が関与していたかどうかの疑問に、前社長は否定を維持したが、それ以前からその種会合を設定していたという。関与はゼロとは言えまい。そして、会見場に時折響く取材陣の怒号。つるし上げのような雰囲気になっていたのか

▼フジテレビの1回目の会見はテレビメディア全体の信頼を損ねたといわれるが、2回目は取材陣も一体となってメディア全体の信頼を失わせたようで嘆かわしい。