一見勝之三重県知事は28日の定例記者会見で、自身ら特別職の給料を引き上げる判断をした理由について「自分の給料を自分で決めるタイミングはない方が良い」などと述べ、特別職報酬等審議会(10人)の答申に従ったと説明した。
一見知事は会見で、知事の任務や職責、他県の状況など踏まえて給料の引き上げが適当とした報酬審の答申について「基本はもうこれで決めていただいたら良いと思っている」と説明。審議会の委員らを「立派な方々」と評価した。
一方で、知事の給料は「国の事務次官よりも低い」と強調。都道府県知事のうち26人が国家公務員出身者だとした上で「安い給料では、それなりの人材しか来ないかもしれない。公務はボランティアではない」と語った。
給料カットを公約に掲げて選挙に立候補する政治家への所感を問われた一見知事は「人気取りのために下げるのか、まだ若くて経験も足りないので安い給料で働くのかはよく分からないが、それぞれの考えだと思う」と語った。
会見では、報酬審が引き上げを答申した理由の一つとなった物価高騰について「生活の中で感じることはあるか」との質問も。一見知事は「スーパーに行くと、いろんな食品の値段が上がっている」とし、一例にブロッコリーを挙げた。
この日の会見で、県は給料引き上げの判断を発表項目として扱った。9日の定例記者会見で質問が上がったことなどを受けた対応という。「全国の改定状況」や「中部圏9県との比較」などを画面に映し、一見知事が解説した。
県は昨年11月、特別職の給料を検討するよう報酬審に諮問した。報酬審は先月、知事の月給を2万円増の130万円とするなど、特別職らの給料引き上げを答申。県は今月27日、答申通りに給料を引き上げると発表していた。