古民家再生の知恵を学ぶ 土井見世邸でDIY体験会 三重・尾鷲市

【防風シートを敷き詰める参加者ら=尾鷲市朝日町の土井見世邸で】

【尾鷲】三重県の尾鷲市は25日、同市朝日町の国登録有形文化財「土井見世邸」で、古民家再生の知恵を学ぶDIY体験会を開いた。市内外から12人が参加し、畳床下の断熱施工に取り組んだ。

土井見世邸は、市内有数の山林経営家だった見世土井家が昭和6年に建設。現在は空き家バンクを運営する同町の「おわせ暮らしサポートセンター」が、シェアスペースとして活用している。

この日は、和館の10畳と12畳の和室2部屋を会場に、同市向井の木工製品製造販売会社「かぐや」の郷橋正成社長の指導の下、参加者らは畳を取り外し、板の上に防風シートを敷き詰めた。

作業で使ったのは、防風シートと目張り用テープの二つ。畳10畳当たりの材料費は5千円以内という。赤外線を検出して温度を調べる「サーマルカメラ」で、施工後の断熱効果も確認できた。

同センター副理事長の豊田宙也さんは「古民家は状態が悪いという印象を持たれがちだが、少しの工夫だけで住環境が大きく変化する。古民家の所有者はDIYを実践してほしい」と話した。

【断熱施工前後のサーマル写真(豊田宙也さん提供)】