山商高3年、OBと野球交流戦 後輩らを〝勝利〟で送り出す 三重

【野球部OBとの交流戦にサヨナラ勝ちして喜ぶ3年生部員ら=伊勢市黒瀬町の宇治山田商高で】

昨年3月の第96回選抜高校野球大会で16年ぶり2度目の出場を果たした宇治山田商業高校(三重県伊勢市黒瀬町)で26日、硬式野球部3年生と同部OBの交流試合が行われた。

卒業を控えた3年生を同部OB会に迎える前の恒例行事。3年生は、昨春のセンバツに登板した中村帆高、田中燿太両投手、内野の要を務めた伊藤大惺前主将らが勢揃いした。

試合は3年生チームの9―8のサヨナラ勝ち。OBらが、センバツで1勝し甲子園で16年ぶりの校歌を響かせた後輩らを“勝利”で送り出した。

春からは同志社大(京都)で硬式野球を続ける前主将の伊藤内野手は「先輩方を始め、周りの方に支えられて野球も勉強も100%打ち込めた高校3年間だった」と話し、改めて周囲に感謝した。

硬式野球部は昨年秋、2年連続で東海大会に進出したが、初戦で敗退し2年連続のセンバツ出場を逃している。

旧チーム副主将の泉亮汰内野手は「(後輩には)夏に甲子園行ってもらい、自分たちがスタンドから応援したい」。藤田怜捕手も「甲子園に出て自分たちの記録を抜いてほしい」と話した。

【交流試合を行った野球部OBらと記念撮影する3年生部員ら=伊勢市黒瀬町の宇治山田商高で】

3年生で硬式野球を続けるのは中村帆高投手(明治大へ)、田中燿太投手(愛知学院大へ)、伊藤大惺内野手(同志社大へ)、泉亮汰内野手(名城大へ)、藤田怜捕手(びわこ成蹊スポーツ大へ)、神生兼心捕手(岐阜協立大へ)、藤田大輝捕手(南山大へ)の7人。

大学野球の聖地・明治神宮球場を目指して新しい環境に飛び込む。田中投手は「高校の最後は自分の力を出し切れずに終わった。大学では後悔のないようやりきりたい」。神生捕手は「持ち味の打撃を生かして、レギュラーをとってチームを神宮出場に導く」と話した。

将来の夢にも近づきたい。140キロ超のストレートと縦と横のスライダーを交えた投球で高校最後の夏、背番号1を背負った中村は「自分の目標はプロに行くこと。現役のプロを一番多く輩出している大学で夢に挑戦したい」。

野球部の森山拓磨部長の出身大に進む藤田大捕手は「甲子園でプレーできなかった分、指導者として甲子園に出られたら」と夢を描いた。