<まる見えリポート>卓球男子・白子高ペア インターハイ初V狙う

【ペアで挑む今年最初の公式戦、全日本選手権(1月30日開幕)に向けて練習する白子高2年ペア(左から大畑、北村)】

卓球で全国高校総体(インターハイ)優勝を目標に掲げるコンビが県内にいる。昨年夏の長崎インターハイ男子ダブルスで準優勝した白子高校2年の北村悠貴(17)と大畑瑛祐(17)だ。北村は鈴鹿市出身、大畑は志摩市出身。地元の町クラブで腕を磨いた後、鈴鹿市に校舎があり、2年前の北海道インターハイ男子団体で全国ベスト16入りし、「公立の雄」と称される白子高校で1年目から主力で活躍中。県内高校からも初のインターハイ優勝目指して、高校最後の1年が幕を開ける。

 北村は鈴鹿市の卓球チーム「21クラブ」、大畑は志摩市の「阿児卓友会」で、小学校入学前後から卓球を始めた。シングルスで小学時代から東海大会や中部大会で上位の成績を誇った北村を中心に幼い頃から切磋琢磨(せっさたくま)。コロナ禍で行われた2021年度全日本選手権カデットの部男子ダブルスでは、県卓球協会の推薦で初めてペアを組み、全国ベスト16の成績を残している。

白子高校進学はそれぞれの考えで決まった。大畑は姉や母親の姉妹が同校卓球部OGという縁もあった。県外への進学も考えたという北村は、同校にほど近い卓球場が卓球を始めた当初からの練習拠点だったこともあり、「練習環境を変えたくない」と地元に残る道を選んだ。

高校でも1年目から県大会の上位で活躍。県高校総体シングルスを1年で制した北村は同年の北海道インターハイで全国ベスト8入りしている。大畑との1年生コンビで挑んだダブルスでもインターハイに出場したが、その時は初戦で敗退している。

コンビの転機となったのが昨年3月、山形県で開かれた全国高校選抜だ。団体戦に臨んだ白子は北海道インターハイの団体戦16強を上回る成績を目指しながらベスト16を決める予選リーグで敗退した。得点源の活躍が期待された北村、大畑のダブルスで勝負所でポイントを取れなかったことも結果に響いた。

話し合いの末、目指したのが攻撃力の向上。安定感のある北村と爆発力のある大畑の組み合わせがもともとの持ち味だったが、選抜以降、強いレシーブを返して攻撃に転じる「チキータ」を多用することでより攻撃的なダブルスを目指した。

戦術の変化は結果に現れた。4月の県高校総体ダブルスで初優勝すると、6月の東海高校総体ダブルスで準優勝。長崎インターハイは決勝で第2シードのペアに敗れたが同校初の準優勝を果たした。インターハイ前の目標はベスト8だっただけに「想像以上の結果」と声をそろえ「(今年のインターハイは)優勝しかない」と意気込む。

 3月には岡山県で開催の全国高校選抜に再び出場する。目標はベスト8以上で、キャプテンを務める北村は「(白子高校として男子団体で)ベスト8に入ったことがないので史上初の成績を目指したい。(大畑との)ダブルスで点を取りたい」と話し、ポイントゲッターとしての自覚をにじませる。

シングルスでは、「全国ベスト8」(大畑)、「全国ベスト4」(北村)とそれぞれの目標を掲げる2人。チームメートであり一番身近なライバルと競い合い、さらなる高みを目指す。