伊勢新聞

武四郎と龍馬に焦点 松阪の記念館で特別展 三重

【龍馬肖像画と愛用の脇差しを説明する山本館長=松阪市小野江町の松浦武四郎記念館で】

【松阪】三重県の松阪市は24日から、同市小野江町の松浦武四郎記念館で開館30周年・市制20周年記念特別展「武四郎と龍馬」を開催する。23日に報道機関向け内覧会があり、激動の幕末を駆け抜けた2人を語る展示品を山本命館長が説明した。会期は3月23日まで。

高知県立坂本龍馬記念館と協力し、27点を出品。土佐脱藩の志士で龍馬の盟友だった北添佶摩(きつま)が蝦夷(えぞ)地を視察した際、武四郎から情報を得て、開拓に向けて龍馬に影響を与えた。龍馬直筆の「海援隊規約」には運輸や利益追求の他、開拓を明記。龍馬のおいは函館府に勤め、一族は北海道に移住した。

北添佶摩は池田屋事件で殺された。龍馬が京都の近江屋で刺客に暗殺された時の、血痕が飛び散った掛け軸やびょうぶの複製を展示している。龍馬が愛用した脇差しを三重県で初公開する。

新選組の前身となる「浪士組」の候補者として幕臣が作ったリスト「浪士一件」には、龍馬と武四郎の名前が隣り合って載っている。

山本館長は「武四郎と龍馬は同じ時代を生き、直接的なつながりはないが、いろんなキーワードでつながっている」と来館を呼びかけた。

記念講座として2月9日に「龍馬が求めた人材」、3月9日に「坂本家と北海道」を開く。いずれも午前10時から。

入館料は一般360円、6―18歳230円。問い合わせは松浦武四郎記念館=電話0598(56)6847=へ。