【尾鷲】三重県尾鷲市向井の市総合交流施設「夢古道おわせ」で、入浴料など約600万円の売上不明金があることが分かった。指定管理者の株式会社「熊野古道おわせ」は、来年度以降の管理者への応募を辞退する。
同社関係者によると、市に報告する決算書作成のために温浴施設の売上金を調べたところ、平成30年6月から令和4年10月にかけて、実際の売上金と経理担当者の作成資料に約600万円の差額があることが判明した。
会社側が該当日の経理担当だった30代女性パート従業員に確認したところ「記憶にない」などと話しており、同社は先月27日の役員会で、同日付で従業員を懲戒解雇処分とし、継続の意向があった指定管理者も応募辞退すると発表した。
同社は不明金の確定に向けて調査を進め、刑事告訴を含めて今後の対応を検討するといい、関係者は取材に「来期の黒字回復が期待される中、残念な状況となった。皆さまに心よりおわび申し上げる」と話している。
同施設は温浴施設「夢古道の湯」と海鮮レストラン、地場産品販売所の3施設で構成される。同社は平成19年の開設以来、6期18年にわたり運営を務めてきた。来年度以降の指定管理者は24日に決まる予定。