佐佐木信綱と画家の交流紹介 鈴鹿の記念館で企画展、書簡や絵画など60点 三重

【信綱と画家たちとの交流を紹介する貴重な資料の数々=鈴鹿市石薬師町の佐佐木信綱記念館で】

【鈴鹿】三重県の鈴鹿市は22日、同市石薬師町の佐佐木信綱記念館で、特別展「信綱を彩った画家たち」を開き、明治から昭和時代に活躍した著名な画家13人が信綱に送った書簡や絵画、歌集など約60点を展示した。3月16日まで。

佐佐木信綱(1872―1963年)は同町出身の歌人、国文学者。画家たちとは、歌集の装丁や挿絵の依頼などを通じて交流があった。

展示は日本画壇の川合玉堂、小杉放庵が送った絵入りのはがきや最後の歌集「山と水と」の装丁を担当した横山大観、洋画家の和田英作や向井潤吉が描いた信綱の肖像画など、貴重な資料の数々が並ぶ。

「佐佐木信綱文集・歌集」の装丁を担当した安田靫彦は信綱の門下生でもあり、書簡のやりとりからは2人の師弟関係をうかがい知ることができる。そのほか、信綱の歌集や著書の装丁や挿絵、画家たちの筆跡も見どころという。

市文化財課の学芸員田中里美さんは「信綱の人柄の良さなど、新たな魅力を知ってもらえれば」と話した。

2月14日午後1時半から、同館展示室で学芸員による展示説明会がある。30―40分程度。申し込み不要、参加無料。