2025年1月23日(木)

▼世界がトランプ米国大統領の一挙手一投足に注目しているさなかに身近な話題で恐縮だが、県が津駅周辺の道路上で「カーシェアリング」の社会実験を始めた。コンパクトカーを4台配置し、事前に登録した会員が車を共同利用できる仕組み。21日午前9時から開始したが、4台とも利用され好調なスタートを切った

▼「日本版ライドシェア」に続く車を活用した地域振興の可能性を探る試みと言えようか。駅から降りた会員が事前にインターネットで予約したカーシェアリングの車で商用や買い物などをし、終わったら元の場所に戻す。半年間実験し、利用者や近隣住民にアンケートするなどして効果や課題を調べて本格導入の可否を検討する

▼津駅周辺のにぎわい創出に向けた取り組みの一環という。県の訪問客や転勤族などが一様に驚くのが県庁所在地の表玄関ともいえる津駅周辺の静けさだ。中心街が分散したためだが、都市計画的には成功とは言いがたい。核をどこにするかはいまだ確定してはいないのではないか。1カ所に集中的に投資するのは難しく、分散するから効果も期待しにくくなろう

▼カーシェアリングも実験費用は約300万円。県からの支払いはないというから、運営する「タイムズモビリティ」(東京都)の独立採算ということだろう。いわゆる“瀬踏み”といっては語弊があるか。「初日から多くの利用があり、驚いている」というのが、県の担当者の感想

▼県の担当者の感想がそうなら、大いに期待できそうだというのが無責任な傍観者の感想である。