伊勢新聞

山本容子さん画業50年を記念 四日市の山画廊で個展 三重

【山本容子さんの銅版画を楽しむ来場者=四日市市安島の山画廊で】

【四日市】銅版画家の山本容子さん(72)の画業50年を記念した個展が、三重県四日市市安島の山画廊で開かれている。初期作から新作まで67点を紹介している。2月2日まで。27、28の両日は休み。

自選作品50点に加え、山画廊が収集した作品も並べている。山本さんは書籍の装丁、挿絵を数多く手がけている。作家の吉本ばななさんの人気小説「TUGUMI」の表紙絵は反響を呼び、多くの人を魅了した。

村上春樹さんの新訳により、昨年刊行された米作家、カーソン・マッカラーズ(1917―67年)の小説「哀しいカフェのバラード」(新潮社)の表紙絵や挿絵も手がけた。会場には小説本の表紙絵となった作品や、大手乳業メーカーのグッズに使用された原画なども並ぶ。

山画廊では、平成8年に初めて個展を開催。ここ数年は2年に1回のペースで個展を開き、今回で18回目となる。

創作への情熱は衰えることなく、「長年にわたって作品を見てくださる方がいることに、幸せを感じます。これからもまだ見ぬ新しい世界に、ワクワクし続けたい」と話していた。