伊勢新聞

障害者支援の取り組み語る 津高で「お菓子工房M」支援員 三重

【工房の取り組みを話す瀬田さん(奥右)=津市新町の県立津高で】

【津】津市新町の三重県立津高は20日、同高図書館で松阪市の就労継続支援B型事業所「お菓子工房M」(橋本真由美管理者)によるトークイベントを開いた。同事業所生活支援係長の瀬田雄也氏(44)が設立から15年の取り組みを話し、事前に申し込んだ1―3年計36人が参加した。

同工房は平成22年設立。昨秋から月1回昼休みに同高で菓子を出張販売する縁で、福祉や障害者支援に理解を深めてもらおうと企画した。

瀬田氏は事業所の業種を単価が低く不安定な請負作業から転換し、競合が少ないクッキーの製造販売に至った経緯を紹介。最初は卵をうまく割れなかった利用者が一人で菓子を作れるようになった例を挙げ「利用者がパティシエ。利用者の障害特性や個々の性格に合わせて支援することが大事」と述べた。

【生徒(左端)に菓子と飲み物を提供する利用者ら=津市新町の県立津高で】

コロナ禍を経て店舗中心から出張販売の機会を増やして売り上げを伸ばし、昨年度は全国平均の約2倍の工賃を払えたとして「利用者が生きていく力を付け、働くことに喜びを感じてほしい」と話した。

同工房の利用者が菓子と飲み物を提供するカフェ形式で放課後に開催。2年の西彩良さん(17)は「利用者が働きやすいよう考えていることが伝わった。クッキーができる背景が分かった」、3年の髙橋克佳さん(17)は「知ってるようで知らない福祉事業所のことが聞けた。商売の面との兼ね合いで難しさもあると思った」と感想を話した。