【津】三重県津市一志町のボランティアガイド団体「一志町歴史語り部の会」は19日、同町の一志農村環境改善センターで歴史講演会を開いた。空撮専門のカメラマン、堀田祐治さん(61)=同市八町=が「三重県中部の軽便鉄道と最新鉄道事情」と題して、明治から昭和初期まで旧津市―旧一志郡を走った軽便鉄道「中勢鉄道」を中心に足跡をたどった。
地域の歴史を紹介しようと年1回開催しており、鉄道史研究家でもある堀田さんを招いた。
堀田さんは大正時代の汽車時間表や地形図から当時の運行状況やルートを紹介。自身がドローンで撮った写真を交えて廃線跡をたどり「久居駅前でほぼ直角に曲がり寺町へ向かう」「伊勢二本木駅付近の雲出川には橋台や橋脚群八点が残る」などと示した。
新幹線の点検用車両、ドクターイエローが地図上の中勢鉄道のルートを走る自作の動画も紹介。「名松線伊勢奥津駅の給水塔が国登録有形文化財になった」など最近の鉄道事情にも触れた。
近郊の約110人が聴講。鉄道史に興味があるという白山町の田中かをりさん(62)は「身近に鉄道遺構があると知らなかったので、来て良かった」と話した。