甘夏の収穫始まる 尾鷲・相賀農園、小ぶりで高糖度 三重

【脚立に上って甘夏を収穫する相賀さん=尾鷲市南浦の相賀農園で】

【尾鷲】三重県尾鷲市天満浦地区の特産、甘夏の収穫が同市南浦の相賀農園で進んでいる。甘酸っぱい香りが漂う畑では、生産者が黄色く色づいた果実を丁寧に採っている。

尾鷲湾を望む日当たりの良い傾斜地には、約1万2千平方メートルの甘夏畑が広がる。亡き父が開業した農園を守ろうと、相賀康史さん(65)が定年退職した昨年春から営む。

同農園は慣行栽培で青果市場に出荷する市内唯一の農園。今年は5日に収穫作業を始め、平日は1人で脚立に上って熟した甘夏をはさみで一つずつ収穫した。

昨夏の少雨などの影響で、収量は例年以下の約10トンとなる見込み。2月末までに収穫を終え、倉庫で1カ月半ほど貯蔵して酸を抜き、4月から名古屋方面に出荷する。

選果で規格外となった甘夏は、熊野市久生屋町の夢工房くまので搾汁した後、尾鷲市ふるさと納税の通販サイトや伊賀市の道の駅などでジュースとして販売する予定。

相賀さんは「今年はMサイズが中心で小ぶりの実が多いが、その分糖度が高くて甘いはず。強い酸味もないので、ぜひ多くの方に味わってもらいたい」と話している。