【鈴鹿】文化財防火デー(1月26日)を前に、三重県の鈴鹿市消防本部は16日、文化財を所有、管理する市内の5寺で防火査察を実施し、消防設備の点検や維持管理の状況などの立ち入り検査をした。いずれも問題はなかった。
文化財所有者や管理者らの防災体制整備や意識高揚を図る狙い。市内の寺社27カ所を対象に毎年4、5カ所ずつ実施している。
市消防本部のほか、市文化財課や中部電力パワーグリッド鈴鹿営業所の職員計4人が青龍寺(白子本町)、摂取院(三日市2丁目)、専照寺(磯山1丁目)、高山寺(長太旭町2丁目)、浄安寺(加佐登2丁目)を訪問。
市指定有形文化財の絵画「聖徳太子および真宗先徳連坐像」を所有する高山寺では釆睾昭道住職(83)が消防職員らとともに本堂などで立ち会い、消火器の使用期限や住宅用火災報知器の設置状況、漏電の有無など5項目について、聞き取りや現状確認を受けた。
釆睾住職は「ろうそくや線香の火を消してからしか本堂を離れないよう気をつけている。寝る前の巡視も毎晩している」と話した。
全ての査察を終え、予防課査察指導グループの小林伸也グループリーダー(54)は「今年は防火、防犯に力を入れているところが多く、意識の高まりを感じた」と総括した。