農作物9種の出来占う 御浜町・林松寺で「試粥会」 三重

【竹筒を割って豊凶を占う服部住職(右)=御浜町下市木の林松寺で】

【南牟婁郡】竹筒に入った米粒の量で今年の農作物の豊凶を占う「試粥会(ししゅくえ)」が15日、三重県御浜町下市木の林松寺であり、雑穀など4品目が最高評価の「上上」を受けた。

同寺の試粥会は明治以前から続くとされ、東紀州に残る唯一の事例と見られる。仏前に供えた米と小豆、鏡餅で作った粥(かゆ)を釜で炊き、9品目の農作物ごとに判定する。

儀式は服部育郎住職が釜で炊いた粥から9本の竹筒を取り出し、包丁で縦半分に割って米の詰まり具合を確認。多い順に上上、上、中、下、下下の5段階で評価した。

今年は早稲(わせ)が上、中稲(なかて)が下、晩稲(おくて)は上上、麦は中、サトイモは中、サツマイモは上上、雑穀は上上、温州(うんしゅう)は上上、中晩柑は下で、最も米粒が多かったのは雑穀だった。

桧作羊次区長は「昨年と比較すると、評価は少し悪い印象。ミカンの町として温州が上上で良かった。何とか豊作で穏やかな一年になることを期待したい」と話した。