honda鈴鹿の川原「勝負の年」 20歳の最速152キロ右腕ドラフト解禁、社会人野球

【川原嗣貴(honda鈴鹿)】

成人の日の13日、県内でも多くの20歳が人生の節目を迎えた。鈴鹿市拠点の社会人野球チーム、Honda鈴鹿では、20歳の最速152キロ右腕、川原嗣貴(かわはら・しき)=大阪府出身=が、ドラフト解禁の「勝負の年」を迎えている。

十代からプロ志望。「個人としての最終的な目標はプロの1軍で戦い続けるということ。そこがぶれることはない」。身長189センチの恵まれた体格から繰り出す速球を武器に、全国屈指の強豪、大阪桐蔭高校でエースの座をつかむと21年の明治神宮野球大会、22年春の選抜高等学校野球大会、同年秋の国民体育大会で優勝。U―18ワールドカップ日本代表にも選ばれて日本の銅メダル獲得に貢献した。

その一方、高3の秋にプロ野球志望届を出すも指名漏れする悔しさを味わった。卒業後、三重県内唯一の硬式野球企業チーム、Honda鈴鹿に進み、いきなり社会人野球の世界に飛び込むと、ドラフト解禁となる高卒3年目に照準を合わせ、身体作りから始めて、直球の球速を高校時代から4キロ上回る最速152キロに、平均球速も144~146キロに上げた。

昨年からは先発陣の一角に加わる。「マウンドに上がるならば最初から最後まで立ち続けたいという気持ちの強さには自負がある」。22年に26度目の出場を果たした都市対抗野球本戦を最後に、全国の舞台から遠ざかるチームの現状について「自分の弱さが出た」と反省を忘れない。

個人としてもチームとしても正念場のこの一年。「(都市対抗、日本選手権の社会人)2大大会出場というところが一番」と話す。「まず都市対抗野球の東海地区予選を勝って全員でドームの切符を取りに行きたい。先発するなら最後まで完投して、チームを勝利に導きたい。そして会社の関係者、ファンの方々が喜ぶ顔が見たい」と力を込める。