古式捕鯨を再現、大漁を祈願 尾鷲・梶賀町「ハラソ祭り」

【ハラソ船に乗って勇壮に櫓をこぐ男衆=梶賀漁港沖で】

【尾鷲】江戸時代の古式捕鯨を再現する尾鷲市梶賀町の伝統行事「ハラソ祭り」が13日、梶賀漁港沖であり、和船に乗った男衆が勇壮に櫓(ろ)をこぎ、大漁を祈願した。

同町で1769年に廃絶した捕鯨をしのび、銛を投げて神にささげたのが起源とされ、250余年続く。ハラソの語源は銛の打ち手「羽刺(はだし)」の転訛という説がある。

漁師ら男衆23人が船尾に大漁旗を掲げた和船「ハラソ船」に乗り込み、梶賀漁港を出港。曽根町の曽根漁港にえい航され、飛鳥神社で大漁と海上安全を祈願した。

その後、男衆はおしろいやほお紅で化粧し、赤いじゅばんに着替えて帰航。岸壁に近づくと「ハラーソ」の掛け声で、羽刺役が梶賀神社などの方角に銛を打ち込んだ。

2年連続で羽刺役を務めた町出身で大阪府の追手門大学1年、中村圭希さん(19)は「昨年以上にうまくできた。今年は勉強以外にも挑戦する一年にしたい」と話した。

梶賀漁港では、和船の到着前に梶賀婦人会が魚ご飯とぜんざいを振る舞ったほか、輪内中の学生らによるエイサー踊りや和太鼓集団「熊野鬼城太鼓」の演奏があった。