現場の空気感をキャンバスに 画家の野村さん新春個展 三重/玉城町

【現場で絵筆を握り、さまざまな風景を描き続ける野村さん=玉城町宮古のギャラリーボナール伊勢玉城館で】

【度会郡】三重県玉城町宮古のギャラリーボナール伊勢玉城館で、鳥羽市若杉町の画家で絵画講師の野村昭輝さん(82)の新春個展が開かれている。13日まで。

野村さんは小学生の時、先生に作品をほめられたことがきっかけとなり、絵が好きになった。中学卒業後はバス整備士として働きながら本格的に油絵を始め、現在まで約3263点を描き続けてきたという。

「現場主義」をモットーに、鳥羽志摩や近隣地域に出かけて現場でしか感じることができない空気感や色合いをキャンバスに表現。作品制作の傍ら、絵画教室などの講師を務め、後進の指導にも力を入れている。

同展は23回目。昨年描いた約63点の中から40点を選んで並べた。80号のキャンバスに描いた戸板谷池の風景、鮮やかな紅葉に彩られた金剛座寺、みずみずしく仕上げたイチゴやプラム、繊細に表現した紅白のツバキなどが来場者を楽しませている。

野村さんは「絵は私の生きる原動力。描くものに感謝し、心を込めて描いた作品を見てもらえれば」と話した。