セーリング男子1人乗りのオリンピック種目、ILCA7級の全日本選手権で、津工業高校ヨット部OBでナブテスコ(本社・東京)の社会人選手、黒田浩渡(くろだ・はると)が初優勝した。津ヨットハーバーを活動拠点に、2028年ロサンゼルス五輪を目指す21歳。国内最高峰の大会初制覇を弾みに「今後は国内レースで勝ちきれる選手に」と意気込む。
同クラスの東京五輪代表の南里研二選手(32)=佐賀・ミゾタ=らとともに出場した昨年11月の全日本選手権(浜名湖)を制した。第1レースこそ5着と出遅れたが、尻上がりに着順を上げた。第3―第5レースで連続して1着を奪うと、2位の南里選手と1ポイント差で頂点に立った。
大阪府出身。日本セーリング連盟のユース強化選手に選ばれた中3から海外の大会や練習に参加して経験を積む。中学卒業後、親元を離れて津工高に進学してからは津市を基点に活動。高校卒業後社会人選手になっても国民体育大会(現国民スポーツ大会)には三重代表として出場。昨年の佐賀大会で少年男子420級優勝などの実績を挙げ続ける母校・津工の後輩たちの活躍も刺激になっているという。
全日本選手権への挑戦は高3からで、これまでの成績は3位2回、4位1回。過去4度の全日本選手権優勝を誇る南里選手が昨年で引退するなど世代交代が進む中で悲願の日本一に輝き「ほっとした」の本音も。今年津市で開かれる日本選手権の連覇達成だけでなく、名古屋市を中心に来年9月から10月にかけて開催されるアジア大会などでも活躍し、新世代の旗手に名乗りを上げるつもりだ。