【尾鷲】江戸時代から続くとされる儀式「浜の祷」が1日、尾鷲市古江町の古江漁港であり、男衆6人がクジラに見立てた葛(かずら)の束を投げ、一年の豊漁と豊作を願った。
捕鯨で栄えた町の伝統を伝承しようと、毎年元日に実施。塩漬けにした三種の地魚をさばいて配り、吉兆の方位を占う行為を由来とする「ギッチョの儀」を執り行う。
男衆6人がカシの棒を持ち、ひょうたん形に束ねた葛を「ギッチョホーイ」のかけ声を響かせ海側へ2回、山側へ一回放った後、海に浮かんだ葛をカシの棒で突いた。
男衆の一人、町出身で木本高2年の大川鷹斗さん(16)は「今よりも活気のある町になってほしいという一心で投げた。けがなく良い一年を過ごせたら」と話していた。