2024年12月31日(火)

▼「一年の計は元旦にあり」と書き出したが、新年を語ろうというのではない。今年の終わりにあたって、年初に立てた一年の計の結果はどうだったか

▼元日の朝に、日の出を臨んで一年の目標や計画を心に決めることで充実の一年が送れると昔から言い伝えられてきたが、三日坊主で断念したり、すっかり忘れていた人も多いのではないか

▼若い時は合格祈願など、具体的目標の達成を決意し、そのための計画も誓ったが、年を取るに従って漠然と家内安全、無病息災のささやかな願いだけで初詣に手を合わせる人が増えていくのかもしれない。そんなぎりぎりの願いが脅かされた一年ではあった。一日の能登半島地震で明け、二日の日航機、海上保安庁航空機の羽田空港での衝突事故でテレビの前にくぎ付けにされた

▼東京都知事選の“石丸現象”はやや遠くの出来事だったが、選挙ポスターの掲示板が売買され、風俗の宣伝まで登場する前代未聞の出来事の発生。自民党派閥の裏金問題が際限なく広がり、岸田文雄首相の退陣、石破茂首相の誕生と総選挙、与党過半数割れと続く。兵庫知事出直し選挙のSNS(交流サイト)の威力と真偽不明の情報の氾濫

▼猛暑で米が店頭から消え、価格高騰し農作物全体はじめ、物価引き上げが相次いだ。年末になって突然のガソリン税の補助率引き下げ。新年はさらに下げられて、年末年始の長期休暇も、円安やガソリン高で、コロナ禍に続き家庭で過ごす家族が多いという。ストレスが増えて、一年の計を立てるどころではないかもしれない。