▼とうとう年の瀬。そこで、今年はどんな年だったのかと振り返ると、とてもひと言では言えない。さまざまな事が起こり、そして、いつの間にか過ぎていった。今となれば、歴史的猛暑も遠い昔の出来事のようだ
▼元旦の能登地震で始まった今年は、政界は裏金問題で揺れ、為替は記録的な円安となり、暮らしは物価高で悪化の一途。岸田退陣で石破内閣が誕生、兵庫県知事を巡る騒動もあった。流行語大賞の「ふてほど」はピンと来ないが、今年の漢字の「金」には納得。新紙幣が登場し、金目当ての闇バイトが横行した。大谷翔平の活躍、パリ五輪、日本被団協にノーベル平和賞なども忘れられない
▼それにしても思うのは、物事の変転の速さだ。特に政治課題は何一つ解明・解決されずに時は過ぎた。古くは「モリ・カケ問題」「統一教会問題」、今年の「裏金問題」など。いまや最大の課題となった「103万円の壁」も「先送り」になるのは確実だ
▼「先送り病」は、政界から日本全体に広がっている。今年の人口減は過去最大の約90万人。先送りできない問題が拡大していくなか、人口だけは確実に失われていく。