<1年を振り返って2024>鈴鹿市・天栄中学校区再編 開校に向け議論重ねる

【第4回通学・安全部会の会合=12月23日、鈴鹿市御薗町の天名公民館で】

三重県鈴鹿市南部地域の天栄中学校区再編計画に基づき、令和8年4月の「新たな小学校」(仮称)開校に向けて統合が決まった市立合川、天名、郡山の3小学校では今年、保護者代表や地域代表住民、学校関係者による学校再編準備委員会が設置され、開校に向けた具体的な準備が始まった。

児童数の減少に伴う学校再編は3小学校の統合を経て、令和14年度に「新たな小学校」(仮称)と栄小学校、天栄中学校を統合した小中一貫の「義務教育学校」開校を目指す2段階計画で進む。

4月に設置した学校再編委員会には25人が委員として参加。任期はおおむね令和8年3月ごろまでを見込み、総務部会は校名や校章、校歌などを決め、通学・安全部会はスクールバスの運行や通学路の安全確保など、5つの部会と代表者会議でこれまでに2―5回の会合を重ね、再編に向けて必要な検討や調整に取り組んできた。

市教委によると、新校名の選定については総務部会を中心に公募で進め、3小学校区の地域住民を対象に、10月7日―11月6日までの1カ月間募集。児童は220件、保護者や地域住民は125件の計345件から応募があった。重複案もあり、校名数としては209点。

1次審査は「自然豊かな3地区のイメージを校名にも表したい」などの意見を受け、総務部会でそのうち10案を選定。その後、児童の投票を踏まえた2次審査で最終候補を「天栄(てんえい)」「鈴鹿南(すずかみなみ)」「鈴南(れいなん)」の3案に絞った。

児童の校名案投票は11月に実施。3校の計304人が1人あたり3つの校名を選び、「天栄」が171票で最多となった。

今月24日の教育委員会定例会では委員から「地域になじみがあり、児童の支持も高い」「3校の児童の投票率に偏りがない」などの意見があり、最終案に「天栄」を選定した。今後、市議会2月定例議会で承認を受け、正式に決まる。

すでに市議会9月定例議会では、統合する3校の廃止と、新たな小学校を設置する条例改正案を可決している。

市が新たに導入するスクールバスの運行基準も定めた。7月には通学距離が2キロ以上の児童を利用対象にすることや利用料金を無料とすることなどの方針を示した。

今回の学校再編では、交通上や防犯上の安全性や地域事情を踏まえ、通学距離にかかわらず天名と合川の全児童約120人を利用対象とする。

今月23日、天名公民館で開催した「第4回通学・安全部会」には、委員8人が出席。

市はこれまでに地域から出された意見や要望をもとに、警察や運行事業者の意見や指摘などを踏まえた運行ルートの最終案を提示。

最終案では、児童の安全を鑑み一部乗降場所を変更。小、中型バス計4台が4ルートを走行し、登校時1便、下校時2便の1日3便で、運行事業者への委託により実施するという。

互いの意見を戦わせ、約3時間に及ぶ話し合いは白熱したが、やりとりの端々に1回目の会合にはなかった目には見えない信頼関係が、確実に構築されつつあるのを感じた。委員の一人は「将来子どもたちがよりよい環境で学ぶことができるよう、行政と議論を積み上げていくのが地域の大人の責任」と話した。

一方、計画の見直しを求める地元の「小学校を存続させる3地区の会」(畑憲二代表世話人)と市は意見がかみ合わず、現在も膠着(こうちゃく)状態が続く。

子どもたちのために―。同じ思いを抱えながら、ともに歩み寄って進める日は訪れるのか。