2024年12月24日(火)

▼22日の全国高校駅伝男子のテレビ中継を見ながら、混戦の中で「伊賀白鳳」のゼッケンを探しているのに気づき、苦笑した。今年の県代表は23年ぶりに「稲生」で、伊賀白鳳は県高校駅伝四連覇を逃していた

▼平成24年の全国高校駅伝で、1区区間賞でトップに立った西山雄介選手の勇姿と、最終のトラック勝負で2位の西脇工を追う川戸拓海選手の力走はまぶたに浮かぶ。熱心な駅伝ファンではなかったが、大いに興奮した。西山選手の妹も活躍し、駅伝はちょっとした盛り上がりをみせた

▼今年はオール2年生でエントリーした稲生に34秒差で惜敗した。2週間後の東海高校駅伝も終盤まで首位を競ったが敗れ、全国への夢はついえた。「負けは受け止めなければいけないが、今のチームにとって良いレースができた」と三平弦徳主将。後輩に来年を託して前を向く

▼稲生の中武隼一監督は、伊賀白鳳の前身、上野工のOBで、伊賀白鳳を強豪に仕上げた故町野英二監督のが掲げた「自主自立」をモットーに稲生を都大路に導いた。ライバルの出現が互いを成長させることは、スポーツに限らず世の習い。昨年の伊賀白鳳は全国41位で、今年の稲生は43位。低迷感否めない県勢にカンフル剤を打ち込めるか

▼互いを意識した来年以降の高校駅伝は伊賀白鳳の強豪としてのプライドと、連覇をめざす稲生が切磋琢磨し、刺激された他校も絡んで全体のレベルアップにつながるのではないか。血湧き肉躍った12年前の興奮をまた、早期に味わえることを期待したい。