絵本の世界楽しんで 作家やまもとさん、尾鷲で特別展 三重

【初期の作品を手に来場を呼びかけるやまもとしんじさん=尾鷲市向井の県立熊野古道センターで】

【尾鷲】三重県尾鷲市向井の県立熊野古道センターは21日から、紀宝町育ちの絵本作家やまもとしんじさんの特別展を始めた。約15年間の創作活動の集大成で、やまもとさんは「絵本の世界を空間ごと楽しんでほしい」と話している。来年2月9日まで。

やまもとさんは昔のディズニー作品の影響を受け、幼い頃から絵の創作に親しんできた。日本大学芸術学部を卒業後、本格的に創作活動を始めると、平成20年に探し物絵本を出版し、絵本作家としてデビュー。緻密で色彩豊かな世界観が注目を集めている。

特別展は、デビュー作から今年8月までの絵本7冊分の原画162点など計約280点を展示。目玉は尾田栄一郎氏の人気漫画「ONE PIECE」や、手塚治虫氏の名作「アトムキャット」とのコラボ原画。活動拠点の東京都以外では初公開という。

同所での個展は3回目だが、過去2回は原画の展示にとどまった。今回は展示室の中央に高さ3・6メートルに達する3段ケーキのオブジェを配したほか、撮影スポットや映像作品も用意。やまもとさんは「テーマパークのように老若男女に訪れてほしい」と話す。

開館は午前9時―午後5時。大みそかと元日は休館。22、来年1月4、5、13、18、2月8、9日にサイン会を開く。会場で絵本を買うか、通販サイト「アマゾン」で事前購入した人が対象。問い合わせは同センター=電話0597(25)2666=へ。