【桑名・員弁郡・いなべ】三重県の桑名市と東員町、いなべ市を結ぶ三岐鉄道北勢線。沿線の市町で、子どもたちが列車の旅を楽しむ恒例のクリスマスイベントや、市民が中心となって今後の北勢線のあり方、まちづくりを考える恒例の勉強会が続いた。
○…クリスマス仕様に飾り付けた車内にサンタクロースが登場する恒例の「サンタ電車」が21日、運行した。
三岐鉄道と四日市大学、沿線自治体などでつくる北勢線事業運営協議会が主催。子どもたちに地域の鉄道に愛着を持ってもらい利用促進につなげようと、平成22年から始めた。コロナ禍で中止となった令和2、3年を除き、今年で13回目になる。
列車は東員駅(東員町)から出発。子どもたちは電車に乗り込むと、サンタクロースに扮(ふん)した大学生からプレゼントの菓子を受け取り、うれしそうにしていた。4両編成の列車は、親子連れでいっぱいになった。
町立笹尾東小学校2年の花井陽南(ひな)さん(8つ)は「サンタさんに会うのを楽しみにしていたので、会えてうれしい」と話した。
○…「地域の公共交通とまちづくりを考える勉強会」は19日夜、いなべ市北勢町阿下喜の阿下喜会館であった。同市の市民グループ「北勢線とまち育みを考える会(ASITA)」(安藤たみよ会長)が開き、沿線の住民や議員が集う。年内最後の勉強会に約十人が集まり、活発に意見を交わした。
毎回テーマを変えて議論し、今回は駅周辺や町ににぎわいをつくるための具体案や、市の将来像を考えた。「今あるイベントをPRし、人を呼び込む」「イベント開催時は北勢線を利用してもらえるよう、会場までのシャトルバスを運行する」「いなべは昼間の人口が多い。駅に仕事帰りに立ち寄れるジムやネイルサロンがあれば、通勤客も増えるのでは」などの意見が出ていた。
来年は運転免許証を返納する際に備えて、高齢者向けの「バスの乗り方教室」の開催も検討しているという。