伊勢新聞

薬用植物の産地化推進 三十三総研、生産者向け勉強会 三重・いなべ

【勉強会で熱心に聴講する参加者ら=いなべ市内で】

【いなべ】三十三総研(三重県四日市市)は17日、いなべ市内で生産者向けの薬用植物栽培勉強会を開き、コンサルティング部の水谷健吾サブリーダーらが薬用植物の産地化に向けた取り組みを紹介した。

同社は、地域活性化を目的に薬用植物の産地化を進めている。平成25年度からスタートした「県薬用植物産地化プロジェクト」は、県からの委託による調査・試験栽培を経て、同社独自の取り組みとして、いなべ市や度会町、多気町へと協力基礎自治体を拡大している。

プロジェクトでは、獣害に遭いにくい薬用植物栽培による耕作放棄地活用▽労働力平準化対策▽雇用拡大▽地域所得増加―など薬用植物の産地化を通じ、地域の課題解決を目指している。

勉強会は、いなべ市内で産地化を推進しているカノコソウの栽培に関する生産者向け説明会として開催され、栽培に興味を持つ市内の農業者15人が参加した。

水谷氏がプロジェクトの概要や取り組み実績、栽培中の薬用植物や今後の展望について説明。

さらに九鬼産業開発部の大岩優貴氏が、カノコソウの栽培方法や栽培時の注意点、出荷時の調整作業方法について紹介。

いなべ市でカノコソウを栽培している伊藤昭朗氏は、体験談として過去の収穫実績や栽培時に苦労した点などについて話した。講演後には参加者からの質問に、3氏が応じた。

三十三総研によると、勉強会終了後、参加者15人のうち9人が、本年度からカノコソウの栽培を開始する意向を示したという。