▼年末の交通安全県民運動(1―10日)期間中の交通指導取り締まり件数は4521件で、うち最も多いのが速度超過の1579件。やはり、多過ぎる印象はぬぐえない
▼速度超過以外は多様なのだろうが、それら一つ一つを減らしていく地道な努力が事故ゼロにつながるのだろう。逆に、増えることになる行為は防がねばならない
▼交通企画課が「早めにライトを付け、安全確認をしっかりしてほしい。歩行者や自転車も反射材などを身につけてほしい」。ちょっと気をつければ誰もができることだろう
▼それから飲酒運転。期間中の違反は51件で、先月から罰則対象となった自転車の酒気帯び運転は13件。全体の取り締まり件数の中では少ないが、事故に結びつく要因は決して軽くはない。自転車の飲酒運転が13件も摘発されたことを含め、氷山の一角の気がしなくもない
▼本紙『読書日和』で、哲学者の伊藤潤一郎さんが中島らも著「今夜、すべてのバーで」(講談社文庫)を紹介していた。「どうしても酒を飲まなければいられない人生について」のキャッチフレーズにひかれ手に取ったという。何かに夢中になるのが酒を控える妙薬と説くが、読み終わって伊藤さんは、悩みながら酒に手を伸ばすと締めくくる。酒飲みの書ということだろう
▼酒なくて何の己が桜かな―酒がなければ人生が味気ないという意味だろうか。酒と並んで習慣性があるとされるたばこは、健康被害の啓発で喫煙者を減らした。運転者が禁酒することが、それほど難しくは思えない。