【津】三重県津市神戸地区に江戸時代から伝わる「神戸のしめ縄」の講習会が15日、同地区の青少年野外活動センターであった。自治会や地域の組織でつくる神戸北沖・山田環境保全会(池田長義代表)が主催し、小学生の親子ら21人が両手でわら縄をなうしめ縄作りに挑戦した。
神戸地区は江戸時代、藤堂藩の政策で大雨時に城下町の氾濫を防ぐため安濃川の堤を低くして東側の同地区に流すようにしており洪水のたび田が水浸しになった。しめ縄作りはその補償として許可されたと伝わっており、地域の歴史を子どもたちに知ってもらおうと毎年講習会を開いている。
参加者は6班に分かれ、青刈りして乾燥させた餅米の稲わらの束をよりながら縄状に綯(な)った。会員の器用な手つきを見ながら親子で協力し、玄関に飾る「ごぼう」と水回りなどに飾る「とんぼ」を完成させた。
小学4年の中井優馬さん(10)は「協力してくねくねさせて作るのが楽しい。かっこいいのができた」と喜んでいた。
同会の杉野眞一事務局長(75)は「神戸のしめ縄には歴史があることを子どもたちに知ってもらい、伝承していければ」と話した。