土鍋の鉱石、支援継続伝達 駐ジンバブエ大使が三重県知事に ペタライト安定供給 

【一見知事(手前)に支援継続の意向を伝える山中大使=県庁で】

山中晋一駐ジンバブエ大使が12日、三重県庁を訪れて一見勝之知事と面談し、四日市萬古焼の土鍋に使われる鉱石「ペタライト」の安定的な供給に向けた支援を続ける意向を伝えた。

県によると、ペタライトは土鍋などの耐熱性を高めることから萬古焼の原料として使われてきたが、ジンバブエの鉱山が中国企業に買収され、令和4年2月から日本への輸出が停止した。

一方、今年3月からは日本への試験的な輸出が再開されている。今のところ土鍋の製造にペタライトの供給は追いついているというが、ペタライトの価格は従来の約3倍に上昇している。

この日、県庁を訪れた山中大使は「まだ価格や安定供給で課題があると把握している。現場で生の声を聞き、ジンバブエに帰ったら現地政府や供給元とできる限りの調整をしたい」と述べた。

また、山中大使は四日市萬古焼の土鍋を使った料理を現地政府の高官に振る舞ったことも紹介。「ぜひ知事にも現場を見てもらいたい」と述べ、ジンバブエへの訪問を呼びかけていた。

一見知事は「外務省や経産省、大使をはじめとした現地の方々のおかげで再びペタライトが使えるようになった」と感謝した上で「今後もジンバブエとは緊密な関係を続けたい」と述べた。

この後、山中大使は萬古焼の土鍋を製造している「銀峯陶器」(四日市市三ツ谷町)で土鍋の製造工程を見学。ばんこの里会館(同市陶栄町)も訪れ、萬古焼の生産者らと意見交換した。